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令和8年度・労働関係法令の次の論点とは

近年の「働き方改革」は、時間外労働の上限規制や有給休暇の確実な取得など、企業に大きな影響を与えてきました。令和8年度に向けて、厚生労働省の審議会では、これまでの改革をさらに進めるための新たな論点が議論されています。
一つは「労働時間管理の高度化」です。テレワークや副業の広がりに伴い、従業員の働く場所や時間が多様化しています。そのため、企業にはより正確な労働時間の把握が求められ、客観的な記録による管理方法の見直しが検討されています。
二つ目は、「健康確保措置の強化」です。長時間労働の是正に加え、勤務間インターバル制度の普及促進や、メンタルヘルス対策の充実が課題とされています。従業員の健康を守る取り組みは、企業の生産性向上にも直結します。
また、雇用形態の多様化に対応した保護も論点です。パートタイムやフリーランスが増える中、公平な労働条件整備をどのように進めるかが議論されています。
これらは審議段階であり具体的な制度変更は未確定ですが、企業としては最新情報を把握し、適切な労務管理につなげていくことが重要です。今後も公的機関の発表を注視しながら、分かりやすく解説してまいります。