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労務コラム*テレワークの導入・労務管理

2019年4月より働き方改革関連法案が施行されていますが、この「働き方改革」とは、

①「労働時間の是正」
②「正規・非正規間の格差解消」
③「多様で柔軟な働き方の実現」 と大きく分けて3つで成り立っています。

③の延長線上にある「多様性な雇用形態」に、昨今の「新型コロナウイルス感染症蔓延による出社7割削減」、「テレワーク助成金」等の影響により中小企業においても「テレワーク」という働き方が普及してきました。中小企業のテレワークは主に在宅勤務をさしており、携帯電話で顧客とアポイントをとり打ち合わせを行う、個人所有のパソコンや会社貸与のパソコンで仕事やリモート会議や打ち合わせを行います。弊所では、自宅で貸与したパソコンを使用し事務所のパソコンにアクセスして仕事を行っています。テレワークも仕事の一環ですので労務管理が必要です。

まずは、テレワークができる職種(仕事)や対象者の選定(条件)があります。
職種は事務職、営業職が中心でエンジニアや設計等の専門職も可能性があります。
対象者は、職種の担当従業員が主ですが、育児・介護等の特別な事情のある者、高齢者や通勤が困難な者、または一定な職位の人を条件にしているケースもあります。

テレワークで一番難しい点は労働時間です。日本の労務管理の基礎は労働時間と賃金(給料)が大きな関係性をもっていることです。社内での通常の業務の場合は時間・行動管理が可能ですが、在宅勤務の場合は、見えない部分で多く、お子さんがいる場合お子さんと関わらずに働くことが可能か、または仕事に集中することは可能か、などがあります。時間管理制度も、「残業なしの通常労働時間管理」「変形労働時間制」「裁量労働時間制」「事業場外のみなし労働時間制」などで運用されています。勤怠管理はWEBでの勤怠管理システムを活用するか、自己申告制、日報制が多いように思えます。時間管理を自由にすることで、深夜時間や休日に働く可能性がありますので、その取り扱いルールは明確にする必要はあります。
また業務の効率・生産性や業務の進捗確認の問題もやはり気になります。

その他、情報セキュリティの問題、顧客への影響、労災の問題、コミュニケーション不足による精神疾患を含める健康管理問題、従業員育成の問題、通信費や電気代の負担問題、作業環境・家族の理解への問題等多くの問題を解決していかなければなりません。
しかしテレワークをすることで、通勤時間の削減により自由な時間や身体的負担の軽減を確保できること、職場オフィスの経費の削減等は大きなメリットとなると思います。

まだまだ課題は多くあるとは思いますが、今後デジタルトランスフォーメイション(DX)が進んでいくと解決できるのかもしれません。