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平成25年5月号①「帰宅困難者対策条例」への企業の対応
2013年05月12日 11時50分
東日本大震災で500万人を超える帰宅困難者が出た首都圏では、震災から2年が経ち、駅周辺の施設を中心に帰宅困難者を受け入れるスペースを設ける動きが広がっているほか、企業が協力して帰宅困難者を受け入れる訓練も次々に行われています。
行政機関では、東京都が帰宅困難者をその場にとどめるため、水や食料の備蓄を企業などに求める帰宅困難者対策条例を来月から施行します。
施行を前に、水や食料を備蓄する動きが本格化しているようです。
1、「東京都帰宅困難者対策条例」とは?
大規模災害が発生し、鉄道等が復旧しない中、多くの人が帰宅を開始すると、救助・救援活動等に支障が生じる可能性があります。こうした事態をできるだけ軽減するための対策として都、住民、企業の役割などを東京都が条例として定めたもので、2013年4月1日施行予定で、企業には次のような取組みを求めています。
(1)従業員の一斉帰宅の抑制(施設の安全確認と3日分の食料等備蓄)
(2)従業員との連絡手段の確保などの事前準備(従業員との連絡手段確保と、従業員に対して家族との連絡手段の複数確保の周知)
(3)事業所防災計画の策定
2、条例に対する企業の懸念事項
東京経営者協会が行った「東京都帰宅困難者対策条例への企業の対応に関するアンケート」の結果によると、「一斉帰宅抑制方針」を定めている企業は57.0%で、何らかの「備蓄をしている」企業は93.0%、企業の帰宅困難者対策に関する意識は高いことが伺えます。
一方、条例施行後に企業として懸念する点として、「待機させた従業員がその後の余震などで被災した場合の会社の責任」や、「帰宅させた従業員が帰宅途中で被災した場合の会社の責任」などの従業員に対する企業の責任に関する懸念が上位を占めました。
また、通行人や被災者を受け入れる際の備蓄品の不足など、社外の者の受入れに対する関する懸念や、通行人を社屋に入れ設備を毀損した場合の責任に関する懸念なども挙げられました。
3、「もしもの場合」に備えて対策を
今後、巨大な地震が起こる確率は首都圏に限らず全国的に高いと言われており、企業の防災対策は必然と言っても過言ではありません。
東日本大震災から2年が経った今、企業として備えておくべきことを再確認してみてはいかがでしょうか。

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