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平成25年3月号「「退職強要」の有無に関する調査結果について」
2013年03月14日 13時09分
大手企業に「追い出し部屋」と呼ばれる部署が次々とできている問題について、厚生労働省は「退職強要の有無等に関する調査」を実施し、その内容を1月29日に公表しました。
この調査は、製造業大手企業などで上記のような部署が存在し、転職を勧めたり、退職を迫ったりするケースがあるとの報道を受け、同省の職員が実態を把握するために、報道された企業に対して直接聴き取る方法で行われました。
1、「追い出し部屋」の業務内容と状況
聞き取り調査によると、業務量の減少に伴い、一定の従業員を集め、それまでの業務とは異なる業務をさせている部署の存在が確認されました。
具体的には、他社に外注していた業務を内製化し、取引先から請け負った社外の業務と一緒に従事させている部署や、技術の進歩やデジタル化で縮小される業務に従事していた社員を集め、新たな業務に就かせるための研修を行う専門の部署などがあったようです。
実際の業務の状況についてみると、業務量が比較的少ないため労働者が部屋で待機することがある日があるものの、稼働率を上げるよう努めており待機者はわずかであるとする企業や、それまで配属されていた部署よりも軽易な場合があるとする企業がありました。
2、厚生労働省の対応
今回の調査において、厚生労働省は「明らかに違法な退職強要を行っている企業は確認されなかった」としています。
ただし、調査対象となった企業に対し、「経営状況が悪化したためにやむなく労働条件の変更や雇用調整を行わなくてはならない場合であっても、法令や労使間で定めたルールを遵守することはもちろん、事前に十分な話し合いを行うことは、労使間の紛争を防止するために必要である」と指摘しています。
また、「厳しい経営環境の下での労務管理のポイント」と題したパンフレットを用い、退職強要や解雇などに関する裁判例の内容等を改めて示し、啓発指導を行ったようです。
3、今後、追い出し部屋はなくなるか?
今回の調査を踏まえ、同省は、今後も大規模な雇用調整事案等を把握した場合には、各都道府県労働局等において機動的に啓発活動に取り組んでいくとしています。
また、産業雇用安定センターが行う出向・移籍のあっせんサービスの活用や、企業自身による再就職援助の要請、ハローワークによる関係機関と連携した再就職支援を行うことなどを掲げ、「追い出し部屋」については、今後も調査を進めていくようです。

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